想いよ ひとつになれ

大好きな彼への気持ちを綴っていきます。誰にも言えない秘密の恋愛ですので、嫌悪される方はお引き取りください。

逃避なのか愛なのか…

部屋に入ってすぐに抱きしめ合って、キスをして…


もっともっとくっつきたくて一緒にお風呂へ。


お湯がたまるまでの間に洗いっこをして湯船に浸かる。


『あー気持ちいい!』


熱めのお湯に浸かって2人で声を揃えて言う


この瞬間がとても好き。


いつもは湯船に入るとすぐに後ろから抱きしめられるのに、この日は正面からきつく強く抱きしめられた。



そして、消えそうなくらい弱い声で、


『もう限界だった…』


彼の一言。



何が限界だったの?

何が辛かったの?



聞きたかったけど、聞けなかった。



続けて



『会いたかった…』




うん。

頷きながら、彼の頭をそっと撫でてぎゅっと抱きしめ返す。



しばらくそのまま。

黙って抱きしめ合いながら、言葉にできない気持ちと、抱き合うことでしか伝わらない気持ちを伝えあった。



そこからは、いつも以上に独占欲が強い彼に激しく愛された。



誰にも渡さない

もう離さない

俺だけの女だ


そんなことを言う彼に、甘えながら、


『全部(エッチ を盛り上げるための)セリフ?』


って一応聞いてみる。


『ばか!セリフのわけがない。

全部本当にそう思ってる』


そう言って抱きしめられ、熱いキスをされた。


『俺、おまえが欲しくてたまんない。』


火がついた彼に

好きだ好きだと甘く、激しく求められ、彼を受け入れながらぼんやりと思う。



きっとこれは全部夢なんだ。

愛とかではなくて、ただの逃避なだけかもしれない。

彼の辛くて寂しい気持ちを私で紛らわしてるだけなのかもしれない。

それを好きとか愛とか言ってるだけなのかもしれない。

やり場のない気持ちを愛という言葉で表してるだけなのかもしれない。

気持ちと体の捌け口が私なだけかもしれない。


私はただのオアシスにすぎない。


それでも、今彼が私を必要としてくれるのなら…

私が彼を必要としてるなら…


もはや、何が愛で何が逃避なのかわからないけど。

好きとか愛って言葉でうやむやになるならそれでいい。

逃避だろうと錯覚だろうと、彼自身が愛だと思って一緒にいてくれてるならそれでいい。



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珍しく、賢者様になってからも彼の気持ちは止まらなかった。



『まさか会えるなんて思わなかった。

会えてマジで嬉しかった!

言っとくけど、会いたかったのはエッチ したかったからじゃないからな!

おまえとはエッチ だけじゃないからな!

俺、本当におまえに会いたくてたまらなかった。

おまえに会えたから、俺はすごく満たされた。

充電満タン。

元気になった!

おまえは?』



ぴったりくっつきながら上目遣いで彼を見上げて


『まだまだ全然足りないよ?』笑


って言ってみた。


彼はふっと笑って、


『だよな〜。電池切れ過ぎてマイナスだったんだもんな〜。』


愛おしそうな眼差しをしてぎゅっと腕の中に包んでくれた。


それだけで泣きそうになる。



『なぁ。

愛の力ってすげーな。

俺、本当に元気なかったのに、おまえに会えると思ったら仕事も頑張れた。山積みになってた仕事を予定通り終わらせた。

おまえがこんなに俺を愛してくれて、だから俺もこんなにおまえの虜になった。もっと愛したくなった。

愛し合ってる同士ってすごいな。

俺は本当にすっごく心が満たされて元気になった。』


彼がこんなことを話してくれるなんて本当に珍しい。

私の心は、そんな彼の言葉で満たされていく。




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実は、彼に会う前にコンビニに寄って、ちょっと迷ったけど、ケーキとチキン、ノンアルビールを買った。

部屋に入ってすぐにそれらを何も言わずにテーブルに置いておいていた。


すぐにエッチ に流れちゃったから、すっかり忘れてたけど、彼はテーブルの上のビールを手にとって

開けると、何のためらいもなく


『メリークリスマス!』


って私と乾杯をした。


そして、チキンとケーキを交互に食べさせ合った。



彼も私も何も言わず、何も言葉はなかったけど、私はこれでクリスマスを嫌いにならずに済んだ。

彼からクリスマスって言葉が聞けた。

それっぽいことができた。

それでもう充分。


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時間が短すぎて、会えなかった時間を埋めるには足りなすぎたけど、すごく幸せな時間だった。